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目の下のクマやふくらみが気になり、さまざまな治療を調べる中で「裏ハムラ」という言葉を目にした方も多いのではないでしょうか。
裏ハムラは、下まぶたの裏側から脂肪を移動させることで、目の下の凹みとふくらみを同時に整える治療です。
表に傷が残りにくい点から注目されていますが、すべての方に適しているわけではありません。
また、表ハムラや経結膜脱脂、ヒアルロン酸注入など、目の下の治療には複数の選択肢があり、それぞれ目的や適応が異なります。
違いを理解しないまま治療を選ぶと、仕上がりに違和感を感じる原因にもなるのです。
この記事では、裏ハムラの基本的な仕組みをはじめ、他の治療との違い、改善が期待できる悩み、注意点やダウンタイムまでを整理して解説します。
ご自身の目元に合った治療を検討するための判断材料として、ぜひ参考にしてください。
裏ハムラ法とは?

裏ハムラ法は、下まぶたの裏側(結膜側)からアプローチして行う目の下のたるみ・クマ治療の一種です。
目の下の膨らみ(眼窩脂肪)を切除せずにそのまま下方の凹みに移動させて固定することで、膨らみと溝を同時に解消し、フラットな目元へと整える手術です。
表から皮膚を切開しないため外見上の傷跡が残らず、脂肪の再配置によってクマの原因を根本から改善できる点が特徴です。
裏ハムラ法の基本的な仕組み
加齢や先天的な構造により、目の下の眼窩脂肪が前方に突出すると下まぶたに膨らみ(ふくらみ)が生じ、その直下には影となる凹み(いわゆる「クマ」)が現れます。
裏ハムラ法では下まぶたの裏側から結膜を切開し、突出した眼窩脂肪を一部剥離して下方の凹みに移動・固定します。
これにより「山を崩して谷を埋める」ように段差を均一にならし、目の下の膨らみとくぼみを同時に平坦化することができます。
原則として脂肪そのものは除去せず有効活用するため、自身の組織でクマを改善する手法と言えます。
表ハムラ法との違い
従来の表ハムラ法(皮膚切開ハムラ法)との最大の違いは切開する位置です。
表ハムラ法が下まぶたの皮膚側から切開し余分な皮膚・眼輪筋の切除や脂肪の処理を行うのに対し、裏ハムラ法では皮膚表面を切らずに結膜側から脂肪を移動させます。
このため、表ハムラでは下まぶた表面に傷跡が残るリスクがありますが、裏ハムラ法は顔の表に傷が残らない利点があります。また効果の及ぶ範囲にも違いがあります。
表ハムラ法は皮膚や筋肉を切除して引き上げることで目の下のたるみ・小ジワの改善効果も期待できます。裏ハムラ法は脂肪の移動に留まり皮膚のたるみ・シワには直接作用しません。
| 項目 | 裏ハムラ | 表ハムラ |
| 切開位置 | 下まぶたの裏側 | 下まつ毛の下 |
| 表面の傷 | なし | あり(目立ちにくいが残る可能性) |
| 皮膚のたるみ改善 | 不可 | 可能 |
| 向いている人 | たるみが軽度 | たるみが強い |
つまり、皮膚のたるみが強い場合には表ハムラ法の方が適しており、たるみは少なく膨らみとクマの凹凸が主な悩みの場合には裏ハムラ法が適しているといえます。
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経結膜脱脂との違い
下まぶたの裏側から行う施術には、裏ハムラ法のほかに「経結膜脱脂法(脱脂術)」もあります。
脱脂術は膨らみの原因である脂肪を取り除くことで物理的に膨らみを解消する治療で、余分な眼窩脂肪を抜き取って「山を低くする」アプローチです。
一方で裏ハムラ法は脂肪を捨てずに移動して再配置することで「山を崩して谷を埋める」アプローチになります。
目的として、脱脂はあくまで目の下の膨らみを手軽に平らにしたい場合に向いており、凹み(影クマ)の改善までは想定されていません。
そのため膨らみだけが気になる若い方には短時間・低侵襲な脱脂が適する一方、膨らみとそれによる影(凹み)がセットである場合には裏ハムラ法によって根本的に段差をならす方が適しています。
脱脂では脂肪を除去する分、将来的に再度脂肪が突出してクマが再発する可能性があります。
しかし、脂肪を移動させる裏ハムラ法では、移動した脂肪自体がストッパーの役割を果たし新たな脂肪突出を防ぐため再発リスクが低い点も大きな違いです。
裏ハムラ法で改善できる目の下の悩み

裏ハムラ法は、眼窩脂肪の膨らみによる凸凹を是正することで目元の見た目年齢を若返らせる治療です。具体的に、以下のような目の下の悩みに対して効果を発揮することが期待できます。
影クマと凹みが同時にあるケース
目の下に膨らみ(眼袋)があり、その下にくぼみ(涙袋の下の溝)ができて影グマが生じているケースは、裏ハムラ法の適応として代表的です。
膨らみと凹みが隣接していることで段差が強調され黒く見えている「黒クマ・影クマ」は、単に皮膚表面をケアするだけでは解消が困難です。しかし、裏ハムラ法で脂肪をくぼみに移動させ段差をなくすことで影の原因そのものを取り除くことが可能です。
実際、裏ハムラ法によって目の下がフラットになると影になっていた部分に光が当たるようになり、クマが根本から解消して明るい目元になります。
膨らみと凹みの両方によるクマでお悩みの方には、膨らみだけを除去する脱脂術よりも裏ハムラ法が適した治療アプローチとなります。
目の下のふくらみが原因の老け見え
加齢に伴う目の下の脂肪の突出は、顔に疲れた印象や老け見えを与える大きな要因です。
下まぶたに膨らみがあるとその下に影ができるため実年齢以上に見えたり、「寝不足?」と心配されるような疲労感のある顔に映ります。
裏ハムラ法は、この目の下のふくらみ自体を解消できる点で見た目年齢の改善に有効です。
実際の症例でも、他院で目の下のクマにヒアルロン酸注入をしても改善しなかった方が、裏ハムラ手術を受けた結果、クマが目立たなくなったことで若々しい印象に変化しています。
目の下の膨らみが減って凹みが浅くなったためです。
膨らみによる影が取り除かれることで目元全体が明るくなり、「老け見え」や「疲れ顔」の解消につながります。
ヒアルロン酸で改善しなかったクマ
ヒアルロン酸注入はメスを使わないクマ治療としてポピュラーですが、根本原因が脂肪の突出にあるクマの場合、注入だけでは限界があることも多いです。
特に目の下に膨らみと凹みがはっきりある状態でヒアルロン酸で凹みを埋めようとすると、かえって不自然に膨らんで見えたり青白く透けて見えるリスク(チンダル現象)があります。
実際、他院でヒアルロン酸を注入しても一向にクマが良くならなかったケースでは、裏ハムラ法で膨らみと凹みの両方に対処することでクマが大幅に改善した例があります。
ヒアルロン酸や脂肪注入では得られなかった効果が、裏ハムラ法ならご自身の脂肪を使って自然になめらかな目元を取り戻せるという点は大きなメリットです。
注入では改善しきれなかった頑固な黒クマ・影クマでお悩みの方にとって、裏ハムラ法は根本的な治療選択肢となりえます。
裏ハムラ法が適している人の条件

裏ハムラ法はすべての人に万能な治療ではなく、向き不向きがあります。以下のような条件に当てはまる方は、裏ハムラ法が特に適していると考えられます。
皮膚を切る治療に抵抗がある人
以下のように、皮膚を切る治療に抵抗がある方には、裏ハムラ法は有力な選択肢です。
「メスを入れる手術はなるべく避けたい」「顔に傷跡が残るのは嫌だ」
裏ハムラ法は皮膚表面を切開しないため、外見上ほとんど傷が分かりません。
下まぶたの裏側からアプローチし表に傷を残さないため、手術痕に敏感な方やダウンタイム中の見た目が気になる方でも挑戦しやすい施術と言えます。
また、脂肪を除去せず利用する方法でもあるため、脂肪の採取や他部位からの注入などに抵抗がある方にも向いています。
切開に対する心理的ハードルが高い方にとって、「皮膚を切らないで済む」裏ハムラ法は安心感のある治療です。
クマとふくらみの両方が気になる人
目の下の膨らみ(眼袋)も、その下のクマ(凹みや影)も両方気になっているような場合、裏ハムラ法はその両方を一度の手術で改善できるため適しています。
多くの方(特に30代以降)は膨らみと窪みがセットで存在します。そのため、単に脂肪を取るだけでなく、窪みを埋める裏ハムラ法の方が、圧倒的に綺麗で若々しい仕上がりになるケースが多いです。
実際、下まぶたの膨らみとクマの両方がある方に脱脂のみを行うと、凹みが強調されてかえって老けた印象になるリスクがあります。
膨らみとクマの両方にアプローチできる裏ハムラ法なら、そのような心配なく目元全体を整えることが可能です。
膨らみもクマも気になるという方は、注入や脱脂のみの治療より裏ハムラ法の適応となる可能性が高いでしょう。
自然な変化を重視したい人
「いかにも施術しました」という不自然な変化ではなく、あくまで自然に若々しい目元に整えたい方にも裏ハムラ法は向いています。
裏ハムラ法は自分自身の脂肪を利用するため、ヒアルロン酸注入と比べても仕上がりの質感や表情の動きが自然です。
移動した脂肪は生きた組織として定着するため触り心地も柔らかく、自分の組織ゆえに時間とともに周囲になじんでいきます。
また、目の下全体の凹凸をなだらかにする施術なので、施術後に「目の下だけ平らで不自然」といった印象になることもほぼありません。
あくまで疲れていた目元が普通になったという穏やかな変化に留まるケースがほとんどです。
周囲に気付かれにくい形でクマを改善したい方には、裏ハムラ法は理想的な治療と言えるでしょう。
裏ハムラ法が適さないケース

反対に、裏ハムラ法では十分な効果が得られなかったり適応外となるケースも存在します。以下のような場合には、裏ハムラ法以外の治療が検討されることがあります。
皮膚のたるみが強いケース
目の下の皮膚のたるみが顕著な場合、裏ハムラ法単独では十分な改善が難しいことがあります。
裏ハムラ法では皮膚を切除しないため、余った皮膚のたるみ自体には直接アプローチできないからです。
眼窩脂肪の重みで下まぶたの皮膚が伸び切っているような場合には、脂肪を移動するだけでは改善が難しいでしょう。
切開を伴うハムラ法(表ハムラ)で皮膚のたるみごと取り除く手術が推奨されることがあります。
特に40代以降で皮膚のハリ低下が進んでいる方や、小ジワ・たるみが主な悩みとなっている方では、裏ハムラ法よりも表ハムラ法や他のリフトアップ施術のほうが適しているケースがある点に注意が必要です。
脂肪が極端に少ないケース
裏ハムラ法は「移動させる脂肪ありき」の手術です。
そのため、そもそも目の下に再配置できる脂肪が極端に少ない場合には施術自体が困難になります。
例えば、過去に下まぶたの脱脂手術を受けて眼窩脂肪がほとんど残っていない方では、再配置する脂肪の量が足りず裏ハムラ法を行えないケースもあります。
また、先天的に眼窩脂肪が少なく膨らみはないが窪みだけが目立つようなタイプのクマ(いわゆる青グマ・凹みクマ)の場合も、移動できる脂肪が無いため裏ハムラ法の適応にはなりません。
このようなケースでは、裏ハムラ法に固執せず脂肪注入やヒアルロン酸注入、あるいは表ハムラ法との併用など別のアプローチを検討したほうが良いでしょう。
別の治療を組み合わせたほうがよいケース
目の下のクマの原因は人それぞれで、脂肪の突出と凹みだけが原因ではない場合もあります。
例えば青グマ(静脈の透けや皮膚のくすみ)や茶グマ(色素沈着)が主な場合、レーザー治療や美白ケアなど別の治療を組み合わせる必要があります。
裏ハムラ法で脂肪を移動してもクマの色味自体は消えないためです。
また、目の下の窪みが頬にまで及ぶような広範囲のボリュームロスがある場合は、裏ハムラ法に加えて脂肪注入を併用した方がより滑らかな仕上がりになることもあります。
医師が的確に適応を判断し、場合によって脂肪注入の併用や他の施術法を提案できるクリニックで相談することが大切です。
裏ハムラ法単独に固執せず、必要に応じて他施術との組み合わせも視野に入れることで、より満足度の高い治療結果が得られるでしょう。
裏ハムラ法のメリット

裏ハムラ法には、他の治療と比較して次のようなメリットがあります。これらの利点が裏ハムラ法を選ぶ決め手となることも少なくありません。
傷跡が表に出にくい点
裏ハムラ法最大のメリットの一つが、傷跡が表からほとんど見えないことです。
皮膚表面を切開しないため、術後の傷は結膜側に隠れます。
表ハムラ法では下まつ毛の際に切開線ができ、時間経過とともに目立ちにくくはなるものの完全に消えることはなく白い線状の痕が残る場合があります。
それに対し裏ハムラ法では、よほど注意深く見ない限り他人から手術痕に気付かれる心配はありません。
人に知られずクマ治療をしたい方や、傷跡リスクを極力減らしたい方にとって、この「傷が見えない安心感」は大きな魅力です。
目の下全体をなだらかに整えやすい点
裏ハムラ法は膨らみと凹みを同時にアプローチできるため、目の下全体を滑らかな曲線に整えやすいのがメリットです。
例えば経結膜脱脂術では膨らみは解消できても涙袋下の凹み(ティアトラフ)までは改善できませんが、裏ハムラ法なら眼窩脂肪をその凹みに移動させて埋めることで、段差のないフラットな目元を作ることができます。
一度の施術で凸凹の両方を解消できるため、注入治療のように膨らみを残したまま凹みだけ埋めてごまかす必要がなく、根本的かつ均一な仕上がりになる点が優れています。
この「滑らかな土台」を作ることで影グマが消えるだけでなく、下まぶたから頬にかけて自然なつながりが生まれ若々しい印象になります。
注入治療を繰り返さずに済む点
裏ハムラ法は半永久的な効果が期待できるため、治療を繰り返す手間やコストを抑えられるのもメリットです。ヒアルロン酸注入などのプチ整形では定期的なメンテナンスが必要になります。
ヒアルロン酸は半年~1年程度で体内に吸収されるためクマが再発し、その度に注入を継続する必要があります。
一方、裏ハムラ法で移動した脂肪は血流が保たれたまま定着するので効果が長持ちしやすく、将来的に新たな脂肪の突出も起こりにくいとされています。
その結果、一度の手術で長年にわたり目元の若々しさを保てる可能性が高く、頻繁に施術を受けに通う負担も減らせます。
「一生ものの美しさを手に入れたい」という方には、裏ハムラ法は将来的なコストパフォーマンスの面でも優れた選択肢となるでしょう。
裏ハムラ法で知っておくべき注意点

優れた治療法である裏ハムラ法ですが、施術を受けるにあたって知っておきたい注意点やデメリットも存在します。事前によく理解し、医師と相談した上で意思決定することが大切です。
すべてのクマが完全に消えるわけではない点
裏ハムラ法は目の下の膨らみ・影グマを改善する画期的な術式ですが、クマの種類によっては効果が限定的であることに注意が必要です。
具体的には、目の下の血行不良による青グマや色素沈着による茶グマといった「皮膚の色」に起因するクマは、脂肪を移動させても改善しません。
裏ハムラ法が得意とするのは膨らみと凹みによる影グマ(黒グマ・影グマ)の改善であり、皮膚そのものの色を変えることはできないのです。
そのため、「クマが完全にゼロになる」ことを期待しすぎず、術後もわずかに残る色味や細かな影はメイクでカバーする必要があるかもしれません。
また、術前に正しくクマの原因を見極めて適切な施術を選択することが重要であり、場合によっては他の治療との併用も検討すべきでしょう。
医師の技術による差が出やすい点
裏ハムラ法は手術の難易度が高く執刀医の技術力に仕上がりが大きく左右される手術です。
下まぶたの裏側という狭い術野で微細な操作を行う必要があり、脂肪をどの程度どこに移動させるかの判断ひとつで結果が変わります。
例えば、脂肪の移動量や固定場所が不適切だと凹みや左右差が残ったり、逆に目の下が膨らみすぎて凸凹が生じる恐れがあります。
また、熟練していない医師が行うと靭帯の十分な剥離ができず効果が出なかったり、不要な部分まで傷つけてしまい組織に過度な瘢痕を残すリスクもあります。
そのような場合、再手術による修正が必要になりますが、一度手術をすると組織に必ず瘢痕ができるため修正手術は格段に難しくなります。
裏ハムラ法は特に難易度が高く元に戻すことが容易ではない施術なので、初めから症例数が豊富で技術の高い医師を選ぶことが極めて重要です。
修正が簡単ではない点
前述のとおり、裏ハムラ法は一度施術を行うと元の状態に完全に戻すことが難しい手術です。
例えば、裏ハムラ法後に目の下がデコボコになったり凹みが残ってしまった場合、再手術で修正するのは容易ではありません。
特に「もっと脂肪を入れてほしい」「取りすぎて凹んだので戻してほしい」といった調整は、注入治療のように簡単にはできません。
そのため最初の手術でベストな結果を出すことが重要であり、医師選びや適応の見極めが非常に大切になります。
万一トラブルが起きた場合に備え、保証制度やアフターフォローが充実したクリニックを選ぶこともポイントです。
裏ハムラ法のダウンタイムと経過

外科的な施術である以上、裏ハムラ法にも術後の腫れや内出血といったダウンタイムが発生します。ここでは、術後経過の一般的な流れと日常生活に戻るまでの目安、そして時間経過とともに変化する仕上がりについて解説します。
術後に出やすい腫れや内出血
裏ハムラ法の手術後は、目の下から頬にかけて腫れ(浮腫)と内出血が生じるのが通常です。
腫れや出血斑の程度には個人差がありますが、一般的に術後2~3日目をピークに最も腫れが強くなり、その後は徐々に引いていきます。
大きな腫れは術後数日で落ち着くことが多く、内出血による青みも1〜2週間程度で目立たなくなっていきます。
結膜側の切開創から多少の出血が生じて白目が赤く充血したり、一時的に目ヤニが増えることもありますが、多くは一過性で時間とともに改善します。
腫れが引くにつれて移動した脂肪が馴染み、術直後にはやや平坦すぎると感じた目の下も、次第に周囲と滑らかに繋がっていきます。
日常生活に戻るまでの目安
仕事や外出など日常生活への復帰時期は、ダウンタイムの程度と本人の状況によって異なります。
一般には術後翌日から数日程度の安静が推奨され、強い腫れが落ち着く3〜5日目以降であればデスクワークなど軽い日常活動は可能になる方が多いです。
人前に出る仕事の場合、目元の腫れやアザを考慮して1週間程度のお休みを確保できると安心でしょう。
内出血が残っている間はコンシーラーやメガネでカバーすることで職場復帰される方もいます。
メイクに関しては、目元以外の部分であれば当日から可能で、アイメイクは抜糸(裏ハムラの場合は通常ごく小さな結膜糸を使用し自然に溶けることもあります)または医師の許可後に再開となります。
シャワーや洗顔も当日から可能ですが、1週間ほどは目を強くこすらないよう注意が必要です。激しい運動や飲酒は内出血悪化を防ぐため術後少なくとも1〜2週間は控えるのが一般的です。
個人差はありますが、多くの方は術後2週間もすれば通常の生活にほぼ支障なく戻れているでしょう。
経過とともに変化する仕上がり
裏ハムラ法の仕上がりは術後すぐが完成形ではなく、時間の経過とともに徐々に落ち着いていきます。
術後1ヶ月くらいまでは脂肪を移動した部分に炎症による硬さ(しこり様の触感)や赤みが残ることがあります。約3ヶ月も経過すればそうした症状もほとんど目立たなくなり自然な状態になるでしょう。
一般的に裏ハムラ法では1ヶ月で仕上がりの50%程度、3~6ヶ月で完成と考えられており、表ハムラ法よりも比較的早く状態が安定するとされています。
術後数週間は以下のように違和感を覚えることがあっても、組織の癒着や脂肪のなじみで経過とともに改善する場合があります。
「思ったより膨らみが取れすぎている」
「まだ少し凹みが残っている」
逆に半年以上経っても凹凸やしこりが気になる場合は、担当医に相談すると良いでしょう。
最終的な完成形の判断は術後3ヶ月以降を目安にすると安心です。
時間の経過とともに目元の状態は変化していくため、焦らず経過観察することも成功へのポイントです。
裏ハムラ法と他のクマ治療の違い

クマ治療には裏ハムラ法のほかにも様々な選択肢があります。
ここでは、裏ハムラ法と代表的な他の治療法(表ハムラ法、経結膜脱脂法、ヒアルロン酸注入)の考え方や目的の違いについて整理します。
各治療の特徴を正しく理解し、自分に合った方法選びの参考にしてください。
表ハムラとの考え方の違い
表ハムラ法(皮膚切開ハムラ法)は裏ハムラ法と同じく下まぶたの脂肪を再配置する手術ですが、アプローチの仕方や目的に違いがあります。
最大の違いは前述した通り切開位置で、表ハムラは皮膚側から切開することで余剰皮膚や筋膜を取り除き、必要に応じて脂肪も切除・移動します。
そのため目の下の膨らみだけでなく、皮膚のたるみやシワも同時に改善できるのが表ハムラ法の強みです。
一方で裏ハムラ法は皮膚を切らずに脂肪を移動させるだけなので、たるみ・シワへの効果はなく膨らみとクマの改善に留まります。
言い換えれば、表ハムラ法は下まぶたの膨らみ・凹み・たるみをまとめて解決できるオールインワンの手術であり、裏ハムラ法はたるみの少ない人向けの部分的な手術という位置づけになります。
また、表ハムラは外部に傷跡が残るリスクや下まぶた外反(下まぶたが外向きに反転する)のリスクが若干高い反面、裏ハムラは傷が見えず外反のリスクも低い傾向があります。
このように両者は一長一短なので、自分のクマの状態(たるみの有無・強さ)や許容できるダウンタイムに応じて使い分けることが重要です。
経結膜脱脂との目的の違い
経結膜脱脂法(脱脂術)と裏ハムラ法はいずれも下まぶた裏側から行う手術ですが、治療の目的や適応が異なります。
経結膜脱脂は名前の通り「脱脂」、つまり突出した脂肪を除去することで手軽に目の下の膨らみをなくしたい人向けの治療です。
メスを使わずにクマを治療したい若年層にも人気で、短時間・低コスト・ダウンタイム軽めといった利点があります。
しかし脂肪を取るだけではその上の膨らみは解消できても、下にある窪み(影グマ)は改善されません。
そのため、目の下に膨らみはあるが窪みはほとんどない若い方には脱脂が適し、逆にはっきりとした窪み(ハの字の影)もある方には裏ハムラ法のほうがより確実にクマを消せる方法と言えます。
裏ハムラ法は膨らみと窪みを同時に処理できる分ダウンタイムがやや長く高度な技術も必要ですが、一度で根本治療し将来の窪み予防にもつながるメリットがあります。
脱脂と裏ハムラ、それぞれ目的が「膨らみ除去」か「膨らみ+凹み除去」かという違いを理解し、自身のクマの状態に合った方を選ぶことが大切です。
ヒアルロン酸治療との位置づけの違い
ヒアルロン酸注入はメスを使わないクマ治療として広く行われていますが、その役割は「谷を埋める対症療法」であり、裏ハムラ法のように構造自体に働きかける根本治療とは位置づけが異なります。
ヒアルロン酸注射は目の下の凹みに充填物を加えて段差を目立たなくする「足し算」のアプローチで、軽度の凹みクマや青グマのカバーには適しています。
一方、裏ハムラ法を含む外科的治療(脱脂・ハムラ法など)は突出した脂肪を除去・移動する「構造改革」のアプローチであり、中等度~重度の眼窩脂肪の突出や皮膚のたるみを伴うケースに適します。
効果の持続期間にも大きな違いがあり、ヒアルロン酸は半年~1年程度で吸収されますが、裏ハムラ法の効果は加齢変化を除けば半永久的に持続します。
ただし、ヒアルロン酸注入はダウンタイムがほぼ無く費用も比較的安価であるのに対し、裏ハムラ法は術後の腫れ・内出血などのダウンタイムや手術費用の負担があります。
また、重度のクマをヒアルロン酸で無理に埋めようとすると不自然になりやすいのに対し、裏ハムラ法なら骨格に沿った自然なフラットさを形成できるという違いもあります。
クマ治療のポイントは以下の通りです。
- ヒアルロン酸注入:手軽だが一時的・軽症向き
- 裏ハムラ法:本格的だが根本解決・重症向き
裏ハムラ法に関するよくある質問

裏ハムラと表ハムラは何が一番違いますか?
一番の違いは、皮膚を切るかどうかです。裏ハムラ法は下まぶたの裏側(結膜側)から行うため表皮を切開せず、表に傷が残りません。
突出した脂肪を取らずに下の凹みに移動させるので、脂肪の再配置のみで膨らみとクマを改善します。
一方、表ハムラ法はまつ毛の下の皮膚を切開し、余分な皮膚や筋膜を取り除きながら脂肪の移動・除去まで行う方法です。
そのぶん皮膚のたるみやシワも同時に改善できるメリットがありますが、切開線が薄く残る可能性があります。
目の下のたるみが強い場合は表ハムラ法が選ばれるケースもあります。
裏ハムラのダウンタイムはどれくらいですか?
腫れや内出血は1〜2週間程度が目安です。
特に術後2~3日目までは強い腫れが出やすいですが、大きな腫れは数日で治まることがほとんどです。
内出血によるアザも約1週間で徐々に薄れ、2週間もすればほぼ気にならなくなります。
メイクは基本的に翌日からベースメイクのみ可能で、アイメイクは抜糸後(術後7日前後)から再開してください。
日常生活への復帰時期は個人差がありますが、デスクワークであれば術後5日〜1週間程度で復帰される方が多いです。
仕上がりの完成は早い人で1ヶ月、通常は1〜3か月後を目安に考えると安心でしょう。
裏ハムラは失敗することがありますか?
可能性はゼロではありません。高度な技術を要する手術のため、執刀医の経験やセンスによって仕上がりに差が出ることがあります。
例えば脂肪の移動量や固定位置が適切でない場合、目の下が凹みすぎたり左右差が残ったりすることがあります。
また、裏ハムラ法の適応でないケース(例:皮膚のたるみが強いのに裏ハムラのみ行った場合や、青クマ主体の方に行った場合)では思うような効果が出ず、満足度が下がりやすくなります。
いったん裏ハムラ法を行うと元に戻すのは容易ではないため、適応判断と医師の経験が重要なポイントです。
信頼できる専門医と十分に相談し、不安な場合はセカンドオピニオンを求めることも検討してください。
裏ハムラと経結膜脱脂はどう選べばいいですか?
クマの原因によって選び方が変わります。ふくらみだけが原因の場合は経結膜脱脂(脱脂術)が適しているケースもあります。
脱脂術は短時間で脂肪を除去できダウンタイムも比較的軽いため、主に若年層で膨らみ主体のクマ治療に向いています。
一方、目の下に凹み(影)もある場合は裏ハムラ法が検討されやすいです。
脂肪を移動してくぼみを埋めることで、膨らみと影グマを同時に改善できるからです。
以下の指標を参考にしてください。
- 膨らみだけ→脱脂
- 膨らみ+凹み→裏ハムラ
- 皮膚のたるみも強い→表ハムラ
ただし実際には膨らみ具合や皮膚の状態によって適した施術は異なるため、診察時に医師から最適な方法の提案を受けると良いでしょう。
まとめ|裏ハムラ法を選ぶ前に整理したいこと
裏ハムラ法は「傷を作らずに膨らみと影グマを同時に改善できる」という魅力的な治療法ですが、その分術者の技量に左右されやすく、万人に適応するわけではありません。
選択にあたってはまずご自身のクマの原因を見極めることが大切です(脂肪の膨らみか、皮膚のたるみか、色素や血行不良かなど)。
そして裏ハムラ法のメリットと限界を正しく理解しましょう。
傷跡が表に残らず半永久的な効果が期待できる一方、皮膚のたるみ改善はできないことや術後のダウンタイムがあること、修正が難しいことなどを踏まえる必要があります。
さらに、信頼できるクリニックで十分なカウンセリングを受け、担当医と治療方針や仕上がりのイメージを共有しておくことも重要です。
場合によっては他の施術との併用提案があるかもしれませんが、広い選択肢を提示できる医師の意見を聞くことで最適解が見えてきます。
裏ハムラ法を選ぶ前に以上のポイントを整理し、納得した上で治療に臨むことで、きっと満足のいく結果に繋がることでしょう。



